2014年11月17日月曜日

世界早産児デー World Prematurity Day

毎年11月17日は世界早産児デーです。
2011年、ヨーロッパで始まったこのムーブメントは、
今や世界中に広がり、昨年我々の新生児病棟でも、
テーマカラーのパープル(紫)で病棟を装飾し、
早産児のご家族を招待して小さなティーパーティを行いました。

今年は2月頃から、早産児の赤ちゃんにプレゼントしたい、
また赤ちゃんの保温の重要性を世間に広く知ってもらいたいと、
私、それからブータン保健省、看護学校の友人との3人の発案で、
手編みのニットの帽子と靴下を作るプロジェクトを始めました。

その後、ブータンの中央部ブムタン地方に伝わる、
赤ちゃんの生存を願い、長寿を全うした人の衣を
継ぎ合わせたおくるみをプレゼントする風習を
もとに作られた子供向けの絵本
「Tshegho - Life of garment-」にならい、
Tsheghoプロジェクトと名付け、
少しずつ、様々なひとびとの努力とご協力で
ひろまりつつありました。

約一ヶ月程前のことです。
オンコール当番で休日に病棟回診をしていたところ、
突然首相が我々の新生児病棟にお見えになりました。
何でも、ご親族のお見舞いに来られたとか。
一通り、病棟をご案内し、ご説明さし上げたところ、
私たちの活動と熱意に非常に心を打たれたと、
首相が自ら今年の世界早産児デーのお祝いに出席したいと
申し出て下さいました。

短い準備時間でありながら、さまざまな人の努力が実り、
患者さんのご家族、ブータン保健省、ブータン医科大学、
国立病院、ボランティア、学生さん、国際機関の方々等、
本当に本当にたくさんの方々のご協力で、
今年の世界早産児デーは昨年を遥かにしのぐスケールで、
無事終えることができました。

首相が大幅に遅刻されて来られた時には、
正直一瞬はらはらさせられましたが、
首相は約束通り会場にお見えになりました。
しかも、王様からの心温まるプレゼントを携えて。

病棟スタッフのいつにもない
とっても明るい表情を見ていると、
彼らにとって、この日の奇跡がまた、
明日からもこれまで以上に赤ちゃんのために、
また家族のために献身的に働く、
良い動機付け、きっかけになった事は
間違いないとの確信が得られました。

地元紙Kuenselの記事
地元テレビ局BBSの記事

この世紀の?一大イベントのみならず、
我々の病棟では、日常診療で普段お世話になっている
30カ所を超える院内各部署にお礼のカードを送りました。

自分たちが、赤ちゃんとその家族のために
一生懸命に尽くせるのは、それを支える
目に見えない助けがあるからという事を、
これからも絶えず忘れず、肝に銘じながら、
日々の診療にあたって行きたいと思います。

心からの感謝を込めて。。。

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