2011年11月29日火曜日

お葬式

今日は、仕事が終わった後、同じ病院で働くドクターのお母さんが
亡くなったので、お葬式に行ってきました。

前にも書きましたが、ブータンでは職場の人の冠婚葬祭はとても大事にします。

お葬式は、ティンプーの街の外れにある斎場でとりおこなわれました。


遺族に挨拶すると涙1つなく、むしろ清々しい様子。
彼曰く、突然の死ではあったが、痛みや苦しみなく、
日本流で言うまさに「ポックリ」逝った事。
家族の中で一番長老だった彼女が、子ども達より先に逝った事。
最期の瞬間、彼が死に直面している彼女を精神的に支え、瞑想し
リラックスするよう促す事で穏やかに息を引きとることができた事。
これら全てが、遺族にとっては、悲しみよりもむしろ喜びであると。。。

なるほど。。。

また、驚いたのは親類関係でもない7人の葬儀を一度にやっていたことです。
若くして、なくなった妊婦さんと赤ちゃん。
肺炎で亡くなったティーンエイジャーなどなど。
お年寄りだけじゃない。色んな死のかたち。
それぞれのストーリーも皆で共有します。

斎場は、広場に簡単な屋根があるだけのシンプルな作りで、
お供え物の奥に棺を入れたやぐらが組まれており、
その前でお坊さんがお経を上げた後、一斉に火が放たれます。

盛んに燃え盛る棺を見つめながら、葬儀に参列したドクターの一人が
私に耳打ちしてくれました。
「この火を見るたびに、我々は Impermanence( 永遠のものはない)
ということを思い出すんだよ。」と。

ちなみにブータンでは埋葬はせず、お墓も作りません。
遺骨は、神聖な場所に散骨するなどして自然に帰すのが一般的だそうです。