2011年6月15日水曜日

Lord Buddha Parinirvana Day 涅槃会

今日6月15日は、ブータンでは国民の祭日でお休み。
お釈迦様の命日とでも言いましょうか、「涅槃会(ねはんえ)」と呼ぶそうです。

病院では、祭日は外来はお休みですが、私は入院患者さんを回診しにいつも通りに出勤。

帰り道すがら、ふとメモリアルチョルテンをみると、スゴい人だかり。


気がつくと、祭列がこちらに近づいてきます。


写真右手で待っている人たちは、ただ見ているのではありません。
祭列の人にお布施を渡して、祝福してもらうのを並んで待っているのです。


写真左手の人が持っている袋がお布施。相当集まっています。

では、どうやって祝福を受けるのか。

お釈迦様の像の袂に触って、その手で自分の頭をなでたり、
頭を垂れて、祭列の人たちがもっている教典の包みで、頭をコツンと小突いてもらうのです。

後から聞くと、この祭列はブータンの若者達の間で仏教心が薄れないように、
毎年この日に若者達で祭列を組織し、メモリアルチョルテンから出発し、街を練り歩くようです。

それにしても、綺麗に整列したブータンの人を見るのはなかなかない光景。

祭列に祝福されると「功徳がある」ので、みんなこぞって並ぶのです。

ブータンの人にとって、「功徳がある」とは、相当なモチベーションになるという事が伺えます。

これって何か良いこと(例えば清潔概念の普及、街の清掃とか)に使えないかなあと、
ついついよこしまなことを考えてしまうのでした。

2011年6月11日土曜日

Housewarming 新築祝い

今日、6月11日は、ブータンの陰暦で縁起がいいとされている日。日本でいう「大安」です。
よってこの日は、お日柄にあやかろうと、公私ともに各種イベントが満載でした。
結婚式、昇進、そしてペンタバレン(5種混合ワクチン)の再開まで。
私たちは、新生児病棟の看護師さん「ソナム」ちゃんが、パロに家を建てたので、その新築祝いの席に招かれました。
ソナムちゃんはまだ20台半ば。若いのに、こんなに立派なお家建てて、偉いなあ。


まず、驚いたのはその出席率。
職場の人は、その時間、病棟のシフトに入っている人を除き、全員参加。
前回の飲み会の時もそうでした。
ティンプーからパロまでは、車で山道を1時間程ドライブしなければなりません。
ですから決して近いわけではありません。
みんなご家庭もあるし、一人ぐらいかけてもおかしくないのに、ちゃんと顔を揃えています。
ブータンでは職場での関係をとっても大切にするんだなあと、改めて思いました。
ソナムちゃん、おめかししてとっても綺麗。


新築のお祝いは、チベット仏教のお祈り「プジャ」で始まります。
太鼓やホルン、シンバル等で奏でられる荘厳な旋律とともに、お経と言っていいのかわかりませんが、お祈りが唱えられます。
お祈りが唱えられている間、お客にはお菓子や、お茶、お酒、ドマ等が振る舞われます。


お祈りが終わると、今度は家の外で歌や踊りが始まり、近所の人が集まってきます。


豪華な夕食をご馳走になった後は、招かれたお客が歌や踊りで盛り上げ、お祝いします。
この頃には、近所の人、親戚の人、職場の人等、恐らく100人はゆうに超えているでしょうか。
大勢の人が集まり、家は活気に包まれます。

ブータンは小さな社会なので、これだけの人が集まると、幼なじみに再会したり、
その幼なじみが誰かの親戚だったりで、Housewarmingは、まさにHeartwarming。
熱気で心も体も温まります。

すっかりいい気分になってパロを後にしましたが、待ち構えていたのはまたしても延々と続く曲がりくねった山道。
「ほろ酔い」気分が、ティンプーに着く頃には、立派な「乗り物酔い」になっていたのでした。 

とほほ。